【導入前に必ず確認】TCD「GRAVITY」のデメリットと不動産のプロが注意すべき3つの点

Web制作会社に依頼すれば数百万円はかかる、本格的な物件ポータルサイト。もし、その構築を自社で実現できるとしたら、どうでしょうか。WordPressテーマ「GRAVITY(TCD111)」は、多くの不動産会社が抱えるその課題を解決する、非常に魅力的な選択肢です。

ですが、不動産のプロであるあなただからこそ、心の中では慎重にその価値を見極めようとしているはずです。

「本当にこのテーマで、大手ポータルサイトに対抗できるような集客が可能なのか?」

「導入後、日々の業務が逆に煩雑になる事態は避けたい」

「約20万円の投資に見合う、具体的なリターンは得られるのだろうか?」

この記事では、そのようなあなたの真剣な疑問に正面からお答えします。

TCD「GRAVITY」を導入する前に必ず確認すべき3つのデメリット(注意点)と、それを乗り越えるための具体的な対策を、忖度なく解説します。

読み終える頃には、あなたの不安は解消され、明確な判断基準を持つことができるようになります。

目次

デメリット1:運用負荷の問題 ー 物件情報の「手動登録」が基本

まず最初に理解しておくべき点は、GRAVITYは物件情報を一件ずつ、WordPressの管理画面から手入力していくのが基本仕様である、という点です。

不動産業務で一般的に用いられる「物件データをCSVファイルで一括登録(インポート)」といった機能は、標準では搭載されていません。

したがって、掲載したい物件数が数百件におよぶ場合、サイト公開前の初期登録や、その後の情報更新(写真の差し替え、価格変更など)に、相応の人的コストが発生する可能性は十分に考慮する必要があります。

対策と考え方

この運用負荷の問題は、事前の計画と体制づくりで乗り越えることが可能です。

  • 専任担当者や外部スタッフの活用を検討する
    Web担当者を一名配置するか、あるいは入力作業をマニュアル化してパートやアルバイトのスタッフに依頼するなど、あらかじめ人的リソースを確保しておくことが重要です。
  • スモールスタートで着実に運用する
    最初から全ての物件を掲載するのではなく、「自社が最も推薦する専任物件」や「Web限定の未公開物件」といったように、掲載物件を戦略的に絞って運用を開始するのが現実的です。そこから徐々に掲載数を拡大していくと良いでしょう。
  • 費用対効果の視点で判断する
    数百万円規模の独自システム開発と比較すれば、月数万円の人件費をかけて運用したとしても、トータルコストを大幅に抑制できるケースは少なくありません。

デメリット2:集客の難易度 ー テーマ導入だけでは「反響」は来ない

GRAVITYは、SEO(検索エンジン最適化)に配慮して設計されたTCDテーマの一つです。しかし、テーマを導入しただけで、明日から問い合わせが殺到するわけではない、という事実は明確に認識しておく必要があります。

テーマはあくまで優れた「器」です。その器に人々を呼び込む「集客活動」は、自社で戦略的に行わなければなりません。

特にサイト開設初期は、SUUMOやHOME’Sといった大手ポータルサイトの圧倒的な集客力に、正面から挑むのは得策ではありません。

対策と考え方

GRAVITYという強力な武器を活かす鍵は、大手にはできない「地域密着のWebマーケティング」にあります。

  • 地域を絞ったキーワードで専門性を高める
    「札幌市中央区 2LDK 賃貸」のように、地域名や沿線名を具体的に含んだキーワードで上位表示を目指し、その地域を探している見込み客へ直接アプローチします。
  • 地域情報のコンテンツで差別化を図る
    「〇〇小学校区の魅力」や「駅前にあるスーパーの品揃え」など、その地域に住みたい人が本当に知りたい生活情報を発信しましょう。こうしたコンテンツは、物件情報しか掲載しない大手サイトとの明確な差別化に繋がります。
  • 物件紹介ブログで物件の魅力を深掘りする
    物件データだけでは伝わらない、日当たりの良さ、収納の多さ、担当者だけが知るおすすめポイントなどを、写真や動画を交えて丁寧に解説する記事を作成します。

GRAVITYの導入はゴールではなく、本格的なWeb集客を自社で始めるための「スタートライン」であると捉えることが成功の秘訣です。

デメリット3:機能の限界 ー 既存システムとの「自動連携」は不可

すでに社内で顧客管理システム(CRM)や、別の物件データベースを運用している場合、特に注意が必要です。

GRAVITYは単体で完結するシステムとして設計されており、それら既存システムとAPIなどでデータを自動連携させる機能は、標準では搭載されていません。

例えば、サイトの問い合わせフォームから来たお客様の情報は、担当者が手動で顧客管理システムに再入力する、といった作業が発生します。

対策と考え方

このデメリットは、システムではなく、社内の運用ルールを整備することで対応します。

  • 情報連携の社内フローを確立する
    「サイトから問い合わせがあったら、担当者が24時間以内に顧客管理システムへ入力する」といった明確な社内ルールを定め、徹底することが最も現実的な解決策となります。
  • 段階的なシステム投資を検討する
    将来的にどうしても自動連携が必要になった場合は、WordPressの専門家にカスタマイズ開発を依頼(別途費用)することも選択肢の一つです。まずは標準機能で運用を開始し、その費用対効果を見ながら次のステップを検討するのが賢明なアプローチと言えるでしょう。

【まとめ】

TCDテーマ「GRAVITY」は、導入さえすれば成功が約束される「魔法の杖」ではありません。

しかし、その特性と注意点を正しく理解し、Web集客に本気で取り組む覚悟のある会社にとっては、大手に対抗するための「最強の武器」になり得るポテンシャルを秘めています。

今回ご紹介した3つのデメリットを許容し、対策できると判断されたのであれば、あなたの会社にとって約20万円は、将来の大きなリターンを生む価値ある投資となるでしょう。

GRAVITYの強力な物件検索機能やデザインの全体像をもう一度詳しく確認したい方は、ぜひ以下の総合レビュー記事も併せてご覧ください。

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