THE THOR(ザ・トール)の、あの洗練されたデモサイト。 息をのむほど美しく、プロフェッショナルで、自分のブログがこうなったら…と想像するだけでワクワクしますよね。
何を隠そう、僕もその魅力に心を奪われた一人です。 「このテーマなら、僕の撮った写真も、僕の言葉も、もっと輝くに違いない」 そう信じてTHE THORを購入し、2年間、試行錯誤を重ねてきました。
そして、結論から言うと、僕は今、このブログをSWELLという別のテーマで書いています。
「え、じゃあTHE THORはダメだったの?」
もし、そう思われたなら、少しだけ待ってください。 断言します。THE THORは、今でも最高のテーマの一つです。
ではなぜ、手放したのか。 それは、テーマが悪かったからではありません。 当時の僕が、その性能を100%引き出せるユーザーではなかったからです。
この記事は、THE THORの欠点をあげつらうものではありません。 僕がTHE THORと向き合う中で、何に気づき、どう成長し、なぜ別の道を選んだのか。 過去の僕と同じように、キラキラした憧れを胸に抱いているあなたにこそ読んでほしい、僕自身の物語です。
THE THORはプロ仕様のカメラ。僕はまだ、撮り方を知らない初心者だった
一言でいうと、THE THORと僕との関係はこれに尽きます。 それはまるで、カメラを始めたばかりの初心者が、いきなりプロ仕様の最高級一眼レフカメラを手にしたような状態でした。
ボタンやダイヤルがたくさんあり、設定一つで無限の表現ができる。 使いこなせれば、間違いなく最高の作品が撮れる。 でも、初心者の僕には、どのボタンが何に対応するのか、理解するだけで精一杯…。
僕がTHE THORの性能についていけず、ぶつかってしまった「3つの壁」についてお話しします。
壁①:知識不足で解けなかった「サイトフリーズ」という難問
ブログ運営に慣れてきた頃、それは突然起こりました。 管理画面が真っ白になり、サイトが表示されないくなる「フリーズ現象」です。
血の気が引くとは、まさにこのこと。 「え、今まで書いた記事、全部消えた…?」 頭が真っ白になりながら、必死で原因を調べました。
原因はおそらく、追加で入れたプラグインとテーマの相性問題。 ネットで調べれば、知識のある方々が解決策を提示してくれています。きっと、プロの方なら数時間で解決できる問題だったのでしょう。
しかし、僕にはその記事が「外国語」にしか見えませんでした。 4日間、あらゆる策を尽くしましたが、僕の知識では手も足も出ず…。この時、痛感しました。
「最高性能の機械は、トラブルさえもプロレベル。今の僕には、まだ早すぎたんだ」と。
これはTHE THORの欠点ではなく、僕の知識不足が招いた結果です。
壁②:僕の大きな勘違い。「デモサイトの写真は魔法ではなかった」
これも、今思えば恥ずかしい、初心者の僕ならではの勘違いでした。 僕は、テーマを購入すれば、あのデモサイトの美しい写真もいくつか付いてくるものだと思い込んでいたのです。
もちろん、そんなことはありません。 美しい食器(テーマ)を買っても、料理(写真や文章)は自分で用意する。当たり前のことでした。
カメラが趣味とはいえ、毎記事プロレベルの写真を用意するのは至難の業。 結局、有料のストックフォトサイトを契約することになり、「テーマ代以上のコストがかかるのか…」と、自分のリサーチ不足を痛感しました。
これも、テーマが悪いのではなく、購入前の僕の準備不足でした。
壁③:性能ではなく好みの違い。僕には少しだけ合わなかった「デザインのクセ」
これは性能とは別の、完全に好みの問題です。
- 箇条書きの「●」が、テーマカラーの赤色でお洒落に固定されている。
- チェックマーク「✔」のアイコンが、力強く少し大きめに表示される。
これらはTHE THORの「味」であり、デザインの統一感を出すための素晴らしい仕様です。 ただ、僕個人の好みとしては「ここはシンプルに黒い点がいいな」「もう少しだけアイコンを小さくしたいな」と感じてしまう瞬間が、少しだけありました。
もちろん、CSSという専門知識があれば簡単に変更できたはずです。 でも、僕にはその知識がなかった。プロ仕様のカメラの「メーカー推奨設定」を、自分好みに変更できなかったのです。
では、THE THORはどんな人に最適なのか?
僕の体験を通して見えてきた、THE THORが最高の相棒になるであろうユーザー像。それは、
「育てる楽しみ」を知っている、こんな人におすすめ
- ブログを「作品」として、細部まで作り込みたい人
- CSSやHTMLを学びながら、自分だけの城を築きたい人
- 高性能な道具の、すべての機能を使いこなす過程を楽しめる人
です。 まさに、マニュアル車を乗りこなすドライバーや、プロ仕様のカメラを使いこなす写真家のような人。 そういう方にとって、THE THORは他の何にも代えがたい最高のテーマであり続けるでしょう。
僕が「快適さ」を選び、SWELLにたどり着いた理由
では、なぜ僕はSWELLを選んだのか。 それは、僕がブログに求めるものが「作り上げる楽しみ」より「書き続ける快適さ」だったからです。
THE THORとの2年間で、僕は自分が「プロのカメラマン」になりたいわけではなく、「伝えたいことを、ストレスなく伝え続けたい人」なんだと気づきました。
SWELL:僕がたどり着いた「ストレスフリー」という答え
難しい設定はテーマに任せて、自分は記事の中身に集中できる。そんな全自動の高性能カメラのようなSWELLが、今の僕には最高の相棒なのです。
ゴールドブログ:THE THORの魂を受け継ぐ「もう一つの正解」
「でも、やっぱりTHE THORのデザイン思想が好きなんだ!」 もしあなたがそう思うなら、その後継テーマであるゴールドブログを検討すべきです。僕が苦労したいくつかの点が改善されており、いわばTHE THORの正当進化版。こちらなら、きっと後悔はしないはずです。
まとめ、最高のテーマとは、今のあなたを輝かせる一本のレンズ
THE THORは、僕にブログの奥深さと、自分自身の現在地を教えてくれた、恩人のようなテーマです。 僕が手放したのは、テーマが悪かったからでは決してありません。僕が成長し、自分が進むべき道が明確になったからです。
テーマ選びは、カメラのレンズ選びに似ています。 広大な景色を撮るための広角レンズ。遠くの野鳥を捉えるための望遠レンズ。どちらが優れているという話ではありません。
あなたが今、何を撮りたいのか?
それによって、選ぶべきレンズは変わります。 この記事が、あなたが自分にぴったりの一本を見つけるための、ヒントになれば幸いです。